2016年4月 神戸新聞

admin/ 4月 15, 2016/ top

「どんな家にしようかなー住み継いで次世代へー」に掲載されました

築40年以上の須磨区の高倉台団地で、公開ワークショップ形式で進められた団地リノベーション。施主は家具職人中原秀章さん(40)と額縁職人のあずささん(40)。「自分の暮らしは自分でつくる」と夫婦の新居が完成したのは4月上旬のこと。

高倉台団地を選んだのは、長男(2)の誕生がきっかけ。豊かな緑に囲まれ、学校やショッピングセンターも近い。加えて独創的な遊具のある公園や赤色の塗装の歩行者道路、サクラやアジサイといった木々に心引かれた。

先人が大切に育んできた街で、長男に贈りたいのは、ぴかぴかのおもちゃではなく楽しい暮らし。そんな思いに、建築士やまちづくりの専門家らが呼応し、プロジェクトチーム「団地ラボ」が発足。自宅を題材にした取り組みが始まった。

壁を取り外して圧迫感が消えた。床は杉素材を敷き詰めた。壁は結露対策に珪藻土を塗った。約2ヶ月間、ワークショップで集った人たちが、試行錯誤して得た成果や教訓は、オープンハウスで共有された。

横尾団地(須磨区)の女性(63)は「間取りはうちとほとんど同じなのにまるで違う。個性があっていいわね」と感心しきり。鶴甲団地(灘区)の主婦(40)は、3人の子どもの成長に伴い、住まいの悩みも増えているといい、「丸ごとリフォームは難しいけど、床だけ張り替えるとか、少しずつなら真似できそう」と熱心に質問していた。

団地ラボのメンバーで、リノベーション物件を手がけてきた2級建築士笹倉みなみさん(28)は「施主さんが積極的になれば、施工側もうれしいし楽しくなる」。同じくメンバーで、一足先にリノベーションした団地に住む佐伯亮太さん(28)は「新築に住まずとも、こんな暮らしもあるという面白さが伝わったら」。

中原夫婦の試みはここで終わらない。実際に暮らし、DIYなどで内装のあれこれに手を入れる時は、ワークショップを再び開くそう。「何かいいことは皆で共有していたい」と語る。それが新しい家づくり、ひいては楽しいまちづくりの一歩と信じるから。

今後の予定は「団地からプロジェクトin高倉台」のWebサイトで随時紹介する。