ガウディみたいに
いつまでも手を加え
進化し続けていく家

■DATA
住所:兵庫県明石市 
スタイル:中古戸建リノベーション(築41年)
費用:約1700万円<物件購入1200万+リノベーション500万円>
家族構成:夫(会社員・40)妻(絵画講師・42)長男(12)次男(10)

もともと、フロッグハウス代表とはアウトドア仲間だった林家のご主人。
住まいを購入するにあたり選んだのは、「中古戸建のリノベーション」という手段。家族みんなでアイデアを出し合った結果、とっても独創的で個性的なお宅が完成しました。

「自分たちの手で」というところにもこだわった結果、予算を抑えられるだけでなく、思い入れも一層強いものに。引き渡し後も、ご自分でどんどん手を加え続けています。築41年という古い戸建が“明石のガウディハウス”になるまでの道のりをお聞きしました。

物件探しの段階から
“リノベ目線”でのアドバイス

かつて借家に住んでいたことから憧れもあり、“住まいを購入するなら戸建”というイメージを持っていました。いろんな選択肢がある中で、古い物件に手を加えてリノベするのが、予算を抑えられるし、性に合っていると思ったんです。
まるまる工務店に任せるよりも、自分たちで手を動かしてつくり上げる楽しみが魅力でした。

不動産屋に頼んで物件探しをしていましたが、目星をつけた段階でフロッグハウスの社長・清水さんに“リノベのしやすさ”の観点で物件を見てもらいました。既にリフォームされて隠れている部分や、ひびの入り方なんかは、プロの目じゃないとわからないので。すごく助かりましたね。

予算と希望のバランスを見ながら
自由にやらせてくれました

予算削減の目的で「壁のペンキ塗りは自分たちでやりたい」だとか、息子の希望で「忍者屋敷にしたい」だとか、自分たちの希望をたくさん伝えたのですが、フロッグハウスさんは、こちらの希望と予算とを細かいところまで調整してくれました。計画の立て方がすごくうまかったです。

ペンキ塗りは、いろんな人を招いてワークショップにすることで、メーカーから無料でペンキを提供いただきました。僕の登山仲間や妻のママ友、息子の同級生など、2日間で合計25名ほどに参加してもらって。はじめは予算削減が目的でしたが、思ったよりうんと楽しかったです。子どもたちも、意外とすごく丁寧に塗っていましたね。(笑)


【たくさんの色のペンキを選び、あちこち塗り分け。2階の子ども部屋は本人たちが選んだ結果、長男側:ブルー、次男側:ピンクに。押し入れのふすまには壁紙を貼り、その上からペンキを塗ることで“押し入れ感”を少なくしました。】

家族のこだわりが家じゅうに。
目玉は“ターザンロープ”!

次男の「忍者屋敷にしたい」という希望をかなえたのが、ターザンロープです。2階の子ども部屋天井から1階のリビングまでロープを垂らしています。はじめは「消防署の滑り棒をつけられたらおもしろいね」と話していたのですが、棒にすると1階のスペースが取られてしまうので、こっちにしました。2階の床部分を閉じて、ロープを収納できるようになっています。

僕のこだわりは、ダントツで照明です(笑)。僕は「色温度」を気にするんですが、白色でも電球の赤色でもない、バランスのいい「温白色」の照明が欲しくて。一般家庭用にはあまりないのですが、何冊もカタログを見て探し、リビングや玄関には温白色のライトを選びました。


【ご主人こだわりの「温白色」の照明は、ほどよく温かい雰囲気を演出しています。】

絵画教室で働く妻のリクエストで実現したのが、もともとキッチンだったスペースを、吊り戸棚だけ残してつくった「アトリエ部屋」です。将来的には、勝手口を入り口にして地域に開けたスペースにしていくつもりです。


【残した吊り戸棚には、黒板塗料を塗ってかわいらしい雰囲気に。壁を合板にしたので、DIYで小さな収納をつけるなど、現在進行形でアトリエづくりを行っています。】

リアルな「ビフォーアフター」が楽しい!
今後も手を加え続けていきます

低予算でここまで自分の好きなように作れるのは、戸建リノベーションの魅力だと思います。解体の過程も全部見られるから、何が隠れているかわからないリフォーム済みの家を買うよりも安心感があります。実際に解体のとき、土壁の中に竹と縄で組まれた格子が見えたときには興奮しましたね。「日本家屋なんやなぁ」と。ビフォーアフターをリアルに味わえました。

わが家はここで終わりではなく、ガウディのように「ずっと工事中」で、進化し続けていきたいと思っています。手を加えていない箇所もあるので、必要に応じて徐々に変えていきたいですね。この夏は、レンガとセメントを使い、外構の壁を家族で作りました。週末ごとに「次の週末は○○をしよう」と、計画を立てて楽しんでいます。


【お風呂は、蛇口と給湯システム以外は元の家のものを使っています。】


【コンクリート塀を取払い、家族の手でレンガとセメントで新たな外構をつくりました。】

<取材・撮影・文: 村崎 恭子 >

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