2026.6宮崎研修期

宮崎県飫肥に研修旅行に行って来ました!

今回も視察の移動はフェリーを活用。

神戸=宮崎はフェリーが出ていて、とっても便利。船に乗って、お風呂入って宴会して起きたら着いています。

メンバーはリノベーション協議会の関西支部の方々で年齢・エリア・職種も様々・・

今回の視察のメインは、宮崎県日南市飫肥に出来た「おびにたすき」。

築100年を超える洋館を再生したベーカリーカフェです。

企画したのは地元飫肥の2017年創業の新進気鋭「paak design 株式会社」。

実は2年前にリノベーション協議会の九州視察ツアーで完成前の物件を見学させていただいており、今回は完成お披露目会にご招待頂いたので行って来ました!

他にも飫肥でパークデザインさんが再生させた物件を見学させていただきました。

その中の一つ「PAAK STOCK」

空き家や解体される建物などから古道具や古材を引き取って販売しています。

元々はパチンコ店だったスペースで、空き家や解体される家から様々な古材・古建具などを引き取って販売しています。

フログハウスも小さな椅子を購入。

#社用車の軽バン(通称 フロッグ号)で来て良かった。

#オープンハウス・賃貸のホームステージング用。

#古材 廃材の再活用はナフサショック下では更に重要に。

続いて街中にある宿泊施設を見学。

これらはPAAKさんが作ったものもあれば、運営委託を受けているものもあるそうで・・

一泊5万円〜の価格帯。地域で眠ってる古民家を再生して、しっかり「稼げる」建物に再編集。

ウーンかっこいい。建物もカッコいいが、やってる事もカッコいい。

四角のキッチン&カウンターもカッコイイ。コレは作ってみたい。

こうした一棟貸のお宿を  飫肥で4 件自社・委託運営されているそうです。

飫肥は九州では有名な観光地なのですが「日帰り・通過型」の旅行者が多く、街にお金が還流しないのがテーマだったそうですが・・

こうしたお宿で新たな宿泊需要を開拓しています。

こちらが再生された洋館「おびにたすき」

ペンキの塗装の色なども残っていた材料から忠実に再現されたそうです。

10年以上空き家となり、眠っている街の資源としての「旧梅村邸」

ひょんな事から物件所有者に「この建物を愛し、受け継ぎ、活用してくれる人に譲りたい」と言われたそうです。

「その思いに触れ、魂が揺さぶられた」というPAAK DESIGNの鬼束さん。
しかし、直後に訪れたコロナ禍で計画は全て止まり、梅村邸は沈黙したままだったそうです。

「誰かがやるだろう」という期待は、いつしか「自分がやるしかない。今やらなければ、この風景は失われてしまう」という覚悟へと変わり、
1年にわたる葛藤の末、土地と建物を取得し、この街の未来を紡ぐ一歩を踏み出すことを決めたそうです。

ちなみに2年前に研修で見学した時の写真がこちら。

旧梅村邸を購入したところでした。

当時見た感想は「規模・金額共に相当大きな勝負になるな」・・っと思いました。建物は傷んでいたけど空気感はとっても良かったのを記憶しています。

今回はその「覚悟の結果を見届ける機会」という事で飫肥に見学に来ました。

ちなみにこうした研修ツアーでは設計者は造作などの細部の納まりを撮影したり質問することが多く、不動産畑や経営者層はお金の流れやスキームを聞くことが多いのがオモシロい。

#初対面の人でもだいたいルーツが解る

#フロッグハウスはどちらもカバー

看板やロゴ・ネーミングのデザインまで手掛けるのが鬼束さんの特徴。

「おびにたすき」の名前の由来は、本来は“中途半端で役に立たない”という意味の慣用句「帯(おび)に短し、襷(たすき)に長し」を再解釈 。

この建物の持つ「大正時代の和洋折衷(中途半端さ)」を魅力と捉えてネーミングに盛り込んだそうです。

また、先人たちが守ってきた飫肥の歴史と文化をしっかり受け継ぎ、「次の100年へ繋ぐたすき」になるように、という未来への願いが込められているそうです。

この辺もしっかり編集している事で、とっても伝わりやすい。

#ネーミングセンスとロゴもカッコイイ

物件見学と鬼束さんのレクチャー(飫肥 建物再生の経緯)の後は続いて懇親会。

地元食材と、「おびにたすき」で販売してるパンをご馳走になりました。

#日南のカツオは高知に並ぶ最強説

#九州に上陸したら急に鶏肉が美味しくなるのは何故か?

#おもてなしの心を知る

#ワインや地元焼酎、地ビールの出張ケータリングも

現在は「おびにたすき」は大人気店になり、現在は開店2時間以内に完売してしまうそうです。

パンは欧州の伝統的な製パン製法をベースに、15年間実直に技を磨き続けてきた職人の手仕事だそうです。

とにかく、どれも美味しかった〜!!

懇親会終了後は宿(パークデザイン再生古民家)に戻って飲み直していたところ、鬼束さんも宮崎の焼酎を手土産に顔を出してくれました。

鬼束さんは設計施工の仕事に加えて、現在は「おびにたすき」の厨房に朝5時から入っているそうです。

その上、パンのメニュー等も地元食材との組み合わせのオリジナルは鬼束さんが考案する事も多いそうです。

「パンも設計もどっちもやって大変じゃない?」との至極当然な酔っ払ったおじさん達の問いに「メニューを考えるのも、設計するのも『どっちも素材を組み立てて行く作業』だから同じです。変わった事を始めたという意識はないし、多分脳の領域は同じ部分を使っている」と事も無げにいう鬼束さん。

#早起きは負けない自信があったけど・・ここにも強豪現る。

翌日も朝9時からリノベ物件をご案内頂きました。

フロッグハウスもリノベ後のお宅に「リノベ検討者のご案内」や「施工写真のカタログの掲載」「インタビュー取材」を快諾頂いたりしてるのですが・・本当に感謝しかないです。

Googleやチラシなどの広告宣伝費的なモノに費用はかけず、「現場と原価に集中」出来る体制が出来たのも「出来たモノを実際に見て貰える(しかも金額付きで)からこそ」だと思っています。

#全員ではないけど

#「お客さん連れておいで」とか感謝しかない。

特に今回は昨年のリノベーションオブザイヤーで特別賞「快適ゾーン断熱リノベーション賞」の受賞案件で特に見たい物件でした!

 

内容はエントリーシートにぎっしり詰まっているので、まずはここを読んで欲しい。

「棲み分け断熱」という、暮らし方

https://www.renovation.or.jp/app/oftheyear/2025/2270

リノベーションオブザイヤー2025では、最終選考に「入賞」した約60社が、互いに「これが一番いい!」と思う作品に投票する「プレイヤーズチョイス賞」という賞があります。審査員が決める総合グランプリに対して、同業他社が相互間投票で選ぶこちらの賞は「もう一つのグランプリ」とも呼ばれています。

2023年から創設された「プレイヤーズチョイス賞」をどこに投票するか?毎年社内で厳正なる審査が行われます。

#言うて2人やけど

#飲みながらやけど真剣に1票

#初年度の受賞はフロッグハウス「これからの団地リノベの在り方を問う」#同じフィールドに立つ者からの評価は本当に嬉しい。

実は今回、フロッグハウスはpaak desogn株式会社の『「棲み分け断熱」という、暮らし方に』に1票を投じていました。

残念ながら特別賞のみの受賞となりましたが、今年は大混戦だったそうです。

(その中に、フロッグハウスの「これからの市営住宅の在り方を、団地リノベの経験値で解く」もあったそうです)

昨年12月に審査会で語った(飲みながら)審査員論評です。

「地域のニーズにがっぷり4つに組んでやってる感」がカッコイイ。地域特性(大きな戸建てが多いエリア)と予算と顧客ニーズ(安全と快適)の狭間でブラッシュアップされて来た感がカッコイイ。限られた予算の中で絞り出してきてる。(清水談)

棲み分けた居住ゾーン(断熱ゾーン)がかっこいいのはもちろん、「捨て」部分のはずの元縁側部分を土間にデザイン変更して見捨てていない。むしろ全体のデザインの底上げをしている。バランスが絶妙。(ササクラ談)

他にも受賞に値するのはたくさんあるけど「プレイヤーがプレイヤーに対して投じる」という趣旨のこの賞では、満票でこちらに投じさせて頂きました。

その物件を見学できて本当に良かったです。

ちなみに見学後の感想は下記です。

「古建具の使い方がカッコイイ。敷居を壁に飲み込まてる事で2倍カッコイイ。古建具は自社で流通(paak stock)させているから、8倍カッコイイ。」(清水談)

「施工後のキメ写真のかっこよさを、現物が超えてきた」(ササクラ談)

この後も昨日ご馳走になった飫肥の焼酎の蔵や、鬼束さんのご実家のリノベーションなどを見学させて頂きました。

 

今回は前述の通り、鬼束さんの覚悟と集大成を見届けるという「勝手な思い入れ」もあり、九州・宮崎県飫肥までやって来ました。

自身の覚悟で「旧梅村邸」を手掛けると決意して、金策して億を超える資金調達を行い(借入だけじゃなくクラウドファンディングも行ったとか)、早起きしてパンまで焼いている。

これらを行っているのが、大手資本が入ってる訳でもなく、親からの基盤を引き継いだ訳でもなく・・創業した個人の覚悟なのだからカッコイイ。

地域で眠っていた空き家を活用して、しっかりと稼げる施設に編集して人とモノとお金が還流出来る様にデザインしている。

#そのうち飫肥に銅像が立つのではないか?との噂

 

翻って、自分達はどんな「覚悟と挑戦」が出来ているか?

フロッグハウスは2025年に宅建業を取得して不動産業も営める様になりました。

今までも不動産屋さんや公社さんとジョイントしてリノベした住戸を販売したことはあったのですが・・

不動産業を取得したことにより、これらを「反復して、フロッグハウス単体で行う事が出来る」様になりました。

現在は僕自身が生まれ育った明舞団地のメゾネット型団地の一室を買い取って、リノベーションを行い、ショールームとしての使用を経て現在は売却中です。

「ユニークさや自分好みにリノベする箱」として、自由度の高さ・リーズナブルさで選ばれる事の多かった「団地」ですが、現在は住み心地や住んでからの安心感にもアプローチして保証・配管の更新・断熱・換気もプラスして来ています。

もちろん建築当初と現代で変わってしまった「住んでる人のニーズの変更」に伴う「団地のツッコミどころ」も改善しています。

#洗濯機置き場を室内置きに

#「一家4人の昭和のファミリー世帯向け」を「令和のシングル・DINKS世帯向け」に

#急勾配の階段を改善

#駐車場4,000円 小さな畑付き

#減価償却7年で可能

 

色々と挑戦・改善を重ねた部分や、実際にリノベ後に住んでいるお施主さん声をギュッと反映しています。

また、自分でもリノベ後に泊まって気付いた点は改善してみました。

「これが最終決定版!」という訳ではありませんが、自分達の現在抱えてる課題・テーマは盛り込めたと自負しています。

2Fにキッチン・リビングを移設してるのですが、これは奇をてらった訳でも何でもなく・・今までこのメゾネットの団地を散々手掛けて来た中で「1Fの水廻りを2Fにも分散させないと狭すぎる!」というところから来ています。その為に「共用配管からの分岐」を管理組合の理事会承認を経て実現させました。

ただ、「作る」事は一生懸命にやれても・・「売る」「知って貰う」事についてはやや後ろのめりだったかとも感じています。

#「ええもん作ったらええやん」的な発想

従来の仕事の枠組みを超えて動くパークデザインと鬼束さんの活動を見せて頂く中で、「建物のことやエリアの魅力をしっかりと自分達の言葉で編集・発信して行きたい」とより強く感じるに至りました。

帰りもフェリーで、翌朝に神戸着後はそのまま現場に直行。

引き渡し2日前の研修旅行でゾクゾクしましたが、本当に良いものを見て良い刺激を貰いました〜!

是非宮崎に行く際は立ち寄って(出来れば泊まって)みてください。

#関西からはフェリーがオススメ

自分達も負けないように、日々精進して行きます〜